

「毎朝の朝礼で注意喚起しているのに、ヒヤリハットが減らない……」
「安全対策を行っていても、フォークリフト事故への不安がなくならない……」
工場や倉庫では、フォークリフトと作業員の接触や荷崩れ、車両の転倒など、さまざまな事故が発生する可能性があります。事故を防ぐためには、安全教育やルールの徹底に加え、人の注意だけに頼らない対策も重要です。
本記事では、フォークリフト事故が起こる主な原因や事例、現場で取り組むべき安全対策について解説します。あわせて、見通しの悪い交差点や出入口などでの事故防止に役立つ、車両検知センサーを活用した対策についてもご紹介します。
フォークリフトは省力化・業務効率化に欠かせない重機ですが、作業員との接触や荷崩れ、転倒など、重大な事故につながるおそれがあります。
現場で事故を防ぐためには、まず「どのような事故が起きているのか」「何が原因なのか」を把握することが重要です。
ここでは、物流・製造現場で起こりやすいフォークリフト事故のパターンと、その背景にある主な原因を解説します。

厚生労働省 岡山労働局の調査によると、フォークリフトによる労働災害では、運転者だけでなく周囲の作業者が被災する事故も多く発生しています。ここでは、物流・製造現場で注意したい代表的な事故のパターンを3つ紹介します。
※出典:厚生労働省 岡山労働局「フォークリフトによる労働災害を防止しましょう」
■作業員との接触・はさまれ・巻き込み
状況: 交差点や見通しの悪いラック間、後進時などに、フォークリフトと歩行者が接触するケースがあります。特にバック走行時や大きな荷物を積んでいる場合は死角が生じやすく、周囲の歩行者への注意が必要です。
■荷崩れによる落下・打撲
状況: パレットへの積み付けが不十分な場合や、高所への棚入れ・棚出しの際に荷崩れが起こり、積み荷が近くの作業員に落下する危険があります。
■転倒・転落(スピード出し過ぎ、偏荷重)
状況: 速度を出したまま急旋回したり、重心が偏った荷物を運搬したりすると、車体のバランスを崩して転倒する危険があります。運転者が車体にはさまれるなど、重大な事故につながるおそれがあります。
フォークリフト事故の背景には、作業者の不注意だけでなく、作業環境や安全管理など、さまざまな要因があります。ここでは、主な要因を3つに分けて見ていきます。
1.ヒューマンエラー(不注意、確認不足、慣れによる油断)
確認不足や不注意、作業への慣れによる油断など、作業者の判断や行動に起因するもの。
2.環境要因(死角が多い見通しの悪い交差点、狭い通路、薄暗い照明など)
ラックや壁による死角、狭い通路、照明が十分でない場所など、周囲を確認しにくい作業環境。
3.運用要因(安全ルールの不徹底、人員不足による作業時の焦り)
人員不足や繁忙時の焦りにより、安全ルールが十分に守られないなど、現場の運用に関するもの。
事故防止の基本となるのが、安全教育や作業ルールの徹底、作業環境の見直しといったソフト面の対策です。
指差し呼称や危険予知トレーニング(KYT)、歩車分離、3Sなど、日々の運用や作業環境を見直すことで事故リスクの低減につながります。
ここでは、現場で取り組みたい基本的な事故防止策を紹介します。

■指差し呼称の義務づけ・作業前点検
発進時や交差点手前では、指差し呼称による安全確認を徹底します。また、ブレーキやステアリングなどに異常がないか、作業開始前の点検を行います。
■ヒヤリハット事例の共有と危険予知トレーニング(KYT)
ヒヤリハット事例を現場で収集し、朝礼やミーティングで共有します。また、KYT(危険予知トレーニング)を定期的に実施し、危険を予測する意識を高めます。
| 対策項目 | 具体的な実施内容 | 期待される効果 |
|---|---|---|
| 歩車分離 | 通路に白線やカラー塗装を施し、「歩行者専用通路」と「フォークリフト走行路」を明確に区別する。 | 人と車両の接触リスクを低減 |
| 構内制限速度の設定 | 現場の状況に応じて構内の制限速度を定め、目立つ場所に速度制限標識を掲示する。 | 速度超過による転倒や接触事故などのリスクを低減 |
| 3S(整理・整頓・清掃) | 通路上の放置物をなくし、見通しを阻害する遮蔽物を徹底的に除去する。 | 死角を減らし、安全視界を確保 |
安全教育やルールの徹底は重要ですが、人が作業する以上、確認不足や疲労、慣れによるヒューマンエラーを完全に防ぐことは困難です。
そのため、ソフト対策だけでは防ぎきれない事故リスクがあり、人の注意に頼らないハード対策を組み合わせることが重要です。
安全教育やルールを徹底していても、現場では次のような要因によって確認不足や判断ミスが生じることがあります。
■繁忙時の焦りや疲労による判断力の低下
出荷が集中する時間帯や長時間の作業では、焦りや疲労から安全確認が不十分になることがあります。
■経験不足や作業への慣れによる確認不足
経験の浅い作業員は危険を十分に予測できない場合があり、経験を積んだ作業員でも慣れから安全確認を省略してしまうことがあります。
安全教育やルールの徹底に加えて、設備によって危険を知らせるなど、人の注意を補うハード対策を組み合わせることも重要です。
特に、見通しの悪い交差点や出入口など、人とフォークリフトが接近する場所では、設備による安全対策を取り入れることで、事故リスクの低減につながります。
人の注意だけでは防ぎにくい事故へのハード対策として、車両検知センサーの活用があります。フォークリフトなどの車両を自動で検知し、回転灯やブザーなどと連動して周囲に注意を促すことで、安全確認をサポートします。
特に、壁やラックなどで見通しの悪い交差点や出入口では、車両が接近していることを事前に知らせることで、出会い頭の接触事故などのリスク低減に役立ちます。
車両検知センサーは、赤外線やレーダーなどを利用して、フォークリフトなどの車両を検知するセンサーです。回転灯やブザーなどと連動させることで、車両の接近を周囲に知らせることができます。
■見通しの悪い交差点で車両の接近を知らせる
壁やラックなどで見通しの悪いT字路・十字路・出入口では、車両の接近を検知し、回転灯やブザーなどで周囲に知らせることで、安全確認をサポートします。
■光や音で周囲に注意を促す
車両の接近を光や音で知らせることで、歩行者やフォークリフト運転者が危険に気づきやすくなり、早めの安全確認や減速につながります。
■既存の現場にも導入しやすい
安全教育や運用ルールの見直しに加え、既存の壁や天井などにセンサーを設置することで、設備面から安全対策を強化できます。

工場や物流現場をはじめ、ごみ処理場における安全対策と効率化のポイントをまとめた資料です。
ホトロンでは、工場や物流倉庫の設置環境や用途に応じた車両検知センサーをラインナップしています。
見通しの悪い交差点や出入口など、フォークリフトと歩行者・車両が接近する場所では、設置場所や検知したい対象に合わせてセンサーを選ぶことが重要です。
ここでは、フォークリフトの安全対策に活用できる車両検知センサーの特長と、現場での活用例をご紹介します。

設置環境や取付条件(屋内・屋外、高天井、壁面取付など)、検知したい対象に応じて、適した車両検知センサーを選択できます。
■高所取付型産業用センサー「KABUTO」
3.5~6.レーダーと赤外線を組み合わせた高所取付型のセンサーで、3.5~6.5mの高所に設置可能。天井の高い工場や倉庫の出入口・交差部などで、フォークリフトの接近を知らせる安全対策に活用できます。
■方向判別型レーダーセンサー「HM-R1」
屋外・屋内で使用できる壁面取付型のレーダーセンサーで、天井のない場所にも設置可能。1台で車両の移動方向を判別できるため、出入口や通路などでの安全対策に活用できます。
■ケース1:見通しの悪い交差点での接触事故対策
壁などで見通しの悪い交差点では、接近するフォークリフトをセンサーで検知し、回転灯などを作動させて歩行者に車両の接近を知らせます。お互いの姿が見える前に注意を促すことで、安全確認をサポートします。
■ケース2:建屋・通路の出入口での注意喚起
建屋や通路の出入口では、接近するフォークリフトをセンサーで検知し、回転灯やブザーなどで周囲に注意を促します。出入口付近の歩行者や車両にフォークリフトの接近を知らせることで、接触事故のリスク低減に役立ちます。
フォークリフト事故を防ぐためのポイントを改めて整理します。
安全教育やルールづくりといったソフト対策は重要ですが、人の注意だけですべてのヒューマンエラーを防ぐことは困難です。そこで、車両検知センサーなどのハード対策を組み合わせ、人の注意だけに頼らない安全対策を行うことが大切です。
設置場所や用途、検知したい対象に応じて、最適な車両検知センサーをご提案します。
製品選びに迷われた際は、お気軽にご相談ください。