

「トラックが同じ時間帯に集中し、構内や周辺道路に待機車両があふれてしまう」
「バースの空きを確認するたびに、現場へ足を運んでいる」
このようなお悩みはありませんか。
2025年4月に施行された改正物流効率化法により、荷待ち時間の短縮が荷主・物流事業者の努力義務となり、トラックバースの効率化がますます重要になっています。
本記事では、トラックバースで待機・混雑が起きる原因や具体的な対策に加え、車両検知センサーを活用した在車状況の把握について解説します。
荷待ち時間の削減やバース運用の見直しを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
トラックバースの効率化は、現場の工夫にとどまらず、法令対応としても取り組む段階に入りました。
ここでは、トラックバースの基本的な役割と、効率化が求められる社会的な背景について解説します。

トラックバースは、トラックを倉庫に接車させて荷物を積み下ろすための荷役スペースを指します。入庫用と出庫用でバースを分けている施設もあり、1日の入出庫量に対してバースの数が足りているかどうかが、拠点全体の処理能力を左右します。
よく似た言葉にトラックヤードがありますが、こちらはバースを含む敷地全体のことです。トラックが場内へ進入し、待機や方向転換を経て退出するまでの動線を確保する範囲まで含むため、バースより広い概念になります。
バースには、床面の高さによって次の2種類があります。
| 種類 | 床面の高さ | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 高床式 | トラックの荷台とほぼ同じ高さ | 荷台から直接荷物を搬入・搬出しやすい。床面が高いため、浸水の影響を受けにくい。 |
| 低床式 | 地面とほぼ同じ高さ | 車両やフォークリフトが出入りしやすく、さまざまな荷役作業に対応できる。一方、浸水の影響を受けやすい。 |
どちらの形式でも、トラックが接車している間は、別の車両がそのバースを利用できません。そのため、1台あたりの滞在時間を短く保ち、空いたバースを次の車両へ素早く回す運用が効率化に欠かせないポイントです。
トラックバースの効率化が急がれる理由の一つは、荷待ちや荷役がドライバーの拘束時間を長くする要因となっているためです。国土交通省が公表した調査によると、1運行あたりの平均拘束時間は10時間13分で、このうち荷待ち・荷役等時間は2時間2分でした。
前回の調査と比べると、運転時間がほぼ変わらない一方で、拘束時間は1時間33分短くなっています。その主な要因は、荷待ち・荷役等時間が1時間16分減ったためです。改善は確実に進んでいるといえます。
ただし、国は長い荷待ちが残る運行もあるとして、2時間以内の水準を安定して達成できるよう取り組みを続ける方針を示しているのが現状です。平均値が下がっても、自社の拠点が該当しないとは限りません。まずは、どの時間帯にどれだけ待機が発生しているかを把握することが求められます。
※出典:国土交通省/トラックドライバーの1運行当たりの平均拘束時間に関する調査結果の公表
荷待ち時間の短縮は、現在では法律上の努力義務です。2025年度に施行された改正物流効率化法により、すべての荷主と物流事業者が、荷待ち時間・荷役等時間の短縮と積載効率の向上に取り組むことを求められています。
取り組みの例としては、トラック予約受付の活用や混雑する日時を避けた日時設定、パレットの標準化による荷役時間の短縮などが挙げられています。2026年4月からは、一定規模以上の事業者が中長期計画の作成と定期報告を義務付けられ、取り組みが著しく不十分な場合には勧告や命令の対象です。
国は、荷待ち時間・荷役等時間について、1運行当たり2時間以内、1回の受渡しごとに1時間以内とする目標を示しています。
待機や混雑は、ドライバーや現場担当者の努力不足で起きているわけではありません。到着の偏り、入荷と出荷の重複、バースの状況が見えないことが重なって生じます。
ここでは、トラックバースで待機や混雑が発生する3つの原因について解説します。

待機が長引く現場では、特定の時間帯にトラックが集中します。国土交通省の解説書でも、多数のトラックが一度に到着して積み下ろしの順番待ちが生じる状況が、荷待ちの代表的なパターンとして挙げられています。
集中が起きる背景には、到着時間が指定されていないことがあります。受付順に荷役を行う運用では、ドライバーは少しでも早く順番を確保しようとして早着します。その結果、受付開始の時刻前後に車両が並ぶ一方、荷役は人員と設備の能力に応じた一定のペースでしか進みません。
入場できない車両が構内にあふれ、周辺道路の渋滞を招くこともあります。さらに、道路の渋滞や天候、ドライバーの休憩によって到着時刻は前後します。
同じバースで入荷と出荷を並行して行う運用も、混雑を生む要因です。入荷の車両と出荷の車両が同じ場所を使うため、作業が重なる時間帯はバースの奪い合いが起きます。
入荷用と出荷用でバースを分けることで、車両の動線の交錯を抑えられますが、バース数に余裕がない拠点では、どちらかの作業を待たせることになります。
重複を前提にした運用は、トラックバースの効率化を進めるうえで見直したい点です。自拠点で入荷と出荷がどの時間帯に集中しているかを把握するところから着手できます。
3つ目の原因は、どのバースが空いているかを管理側がすぐに把握できないことです。到着の順番を整えても、現場で荷役が終わったかどうかが分からなければ、次の車両を呼び込むタイミングは遅れます。
把握が遅れる理由は、確認の手段が人に依存している点にあります。担当者が構内を回って状況を見に行く、または無線や電話で現場に問い合わせる方法では、確認した時点の情報しか得られません。バースの数が多い拠点ほど、ひととおり回るだけでも時間がかかります。
到着時間を管理するだけでなく、現場のバースの空き状況を把握することも、トラックバースの効率化には重要です。
トラックバースの効率化は、設備を入れ替えなくても運用の見直しから着手できます。到着の偏りをならし、入荷と出荷を切り分け、荷役そのものを短くする取り組みが基本です。
ここでは、現場で取り組みやすい3つの方法について解説します。
到着の集中を抑える代表的な方法は、入場できる時間帯をあらかじめ割り当てることです。全日本トラック協会は、トラック予約受付システムについて、荷待ち時間の削減だけでなく、荷主側の物流施設の効率化やコスト削減にもつながる手段として導入を促しています。
導入するのは、倉庫や物流センターを運営する発荷主・着荷主の側です。運送会社との到着時間の調整に加え、受け入れ側が自拠点の処理能力に合わせて入場を配分することが重要です。
全日本トラック協会の資料では、導入企業の例として、平均待機時間がおよそ半分に減ったケースも紹介されています。ただし、予約の枠を実際の荷役能力より多く設定すれば、結局は場内で待たせることになります。自拠点が1時間あたり何台を処理できるかを把握したうえで枠を組むことが必要です。
※出典:全日本トラック協会/トラック予約受付システムの導入促進について
入荷と出荷を切り分ける運用も、混雑の緩和に効きます。同じ時間帯に入荷と出荷の車両が集まると、バース数に対して処理すべき車両が増え、場内の渋滞や作業員の負担増につながります。
切り分け方は、大きく分けて次の2つです。
■バースで分ける
入荷専用と出荷専用のバースを決めておくと、動線の交錯を抑えられ、荷役がスムーズに進みます。
■時間帯で分ける
午前は入荷、午後は出荷というように時間をずらします。専用バースを確保できない拠点でも取り入れやすい方法です。
いずれの場合も、完全に分けきる必要はありません。取引先との兼ね合いで動かせない便もあるため、まずは調整できる便から順に時間帯をずらし、ピークの山を低くしていくと現実的に進められます。
バースの滞在時間そのものを短くするには、荷役のやり方をそろえることがポイントです。担当者ごとに手順が違うと作業時間にばらつきが生まれ、特定のバースが長時間ふさがる状況を招きます。
標準化は、次の2つから着手すると整理しやすくなります。
1.現状の手順を書き出す
受付から出発までの流れを担当者ごとに洗い出します。ばらつきが大きい工程ほど、短縮できる余地が残っています。
2.荷さばき場のルールを決める
仮置きの位置や通路の確保を明文化しておくと、作業の手戻りが減ります。
国土交通省の解説書でも、標準仕様のパレットによる一貫パレチゼーション、荷量に応じた人員・機材の配置、貨物量に見合った荷さばき場の確保が示されています。1台あたりの所要時間が読めるようになれば、次の車両を呼び込む判断も早くなるでしょう。
到着の時間帯をならし、入荷と出荷を分け、荷役をそろえても、現場でバースが空いたことに気づけなければ、次の車両の案内が遅れてしまいます。そこで重要になるのが、在車状況の把握です。
ここでは、目視や無線による確認の限界と、車両検知センサーを使って在車状況を可視化する考え方について解説します。

人の確認に頼る方法は、バースの数が増えるほど追いつきません。担当者が構内を回る場合、ひととおり見終えるまでに時間がかかり、最初に確認したバースの状況はその間に変わってしまいます。無線や電話で現場に問い合わせる方法でも、作業中の担当者の手を止めることになり、確認の回数は自然と減っていきます。
安全面でも、構内の混雑は見過ごせない問題です。厚生労働省が示す荷役作業の安全対策ガイドラインの案内では、荷役作業中の労働災害がおよそ1万件起きており、その3分の2が荷主先で発生していると説明されています。荷主に対しては、荷役場所の混雑の緩和や安全な通路の確保が求められています。車両を場内に滞留させない運用は、効率だけでなく安全の面からも必要です。
※出典:国土交通省中国運輸局/荷役作業での労働災害を防止しましょう(厚生労働省ガイドラインの案内)
人が見に行かずに在車状況を把握する方法が、バースごとに車両検知センサーを設置することです。センサーで車両の有無を検知し、表示灯などと連動させることで、どのバースが空いているかを待たずに確認できます。
ホトロンの車両検知センサーをバースに設置し、表示灯などと連動させることで、空いているバースへの誘導を支援できます。また、倉庫内の作業員と在車状況を共有することで、荷役作業の準備や車両の受け入れをスムーズに進められます。こうした在車状況の把握は、待ち時間の短縮や業務効率の向上につながります。
トラックバースでの車両検知センサーの活用については、以下のページでご紹介しています。
▶ トラックバースの在車検知について詳しく見る
トラックバースは、乗用車向けの駐車場とは設置条件が大きく異なります。天井の高さ、床面の状態、稼働中の施工制約、バースの数といった条件を先に整理しておくと、検討がスムーズに進みます。
ここでは、導入前に確認しておきたい4つのポイントについて解説します。
最初に確認したいのは、センサーの取り付け高さと検知距離です。トラックバースは大型車両が接車するため天井が高く、乗用車向けの駐車場と同じ感覚では設置できません。高床式か低床式かによっても、センサーから車両の屋根までの距離は変わります。天井の高い倉庫では、この距離が製品の検知範囲を超えてしまう場合もあります。
カタログで検知距離の仕様を確認し、自社のバースの天井高と車両の高さを当てはめて検討すると、設置の可否を早い段階で判断できます。高所に取り付けられるかどうかは、製品を絞り込む最初の条件です。
次に確認したいのが、誤検知の起きにくさです。荷役場所では床面に凹凸や小石があり、パレットや資材が一時的に置かれることもあります。床面を基準に検知するセンサーでは、こうした要素に反応してしまう可能性があります。
誤検知が続くと表示と実際の状況が合わなくなり、現場での目視確認が必要になる場合もあります。センサーの検知精度は、導入効果を左右する重要なポイントです。
確認したいのは、床面の状態や作業員の動きによる誤検知を抑えられるかどうかです。検知距離を調整できる製品であれば、床面や人の影響を受けにくい設定が可能です。
3つ目は、稼働への影響を抑えて設置できるかどうかです。日々入出荷が続く倉庫では、床を掘る工事や、長期間バースを閉鎖する施工は導入の負担が大きくなります。
既設の建屋に後付けできる製品であれば、休業日や夜間の短時間で工事を終えられる場合もあります。埋設工事が不要かどうかは、導入のハードルを大きく左右します。
もう一つ見ておきたいのが配線量です。バースの数が多いほど、センサー1台ごとの配線量が増加し、工事費と工期に影響します。センサー同士をつなぐ配線を減らせる製品であれば、規模の大きい拠点でも導入しやすくなります。
最後に、どの範囲にセンサーを設置するかを決めます。数バースだけの拠点と、数十バースを抱える物流センターでは、必要な台数も接続の方法も変わります。
バースの数が少ない場合は、センサーごとに個別の出力を取り出すリレー型が適しています。一方、バースの数が多い場合は、省配線で設置できる通信型(RS-485)が適しています。
ホトロンの超音波センサー HM-UX2/UW2は、トラックバースの在車検知に対応した天井取付型センサーです。高所にも設置でき、床面の影響を受けにくい特長があります。
ここでは、トラックバースの在車検知で求められる条件に、この製品がどう応えるのかについて解説します。
HM-UX2/UW2は天井取付型の超音波センサーで、天井の高い物流倉庫にも設置できます。トラックの屋根の位置に合わせて検知距離を設定できるため、設置環境に応じた在車検知が可能です。
床面の影響を受けにくい点も、荷役場所に適しているポイントです。検知距離を任意に設定できるため、床面の小石や段差による誤検知を抑えられます。
検知する位置を高めに設定すれば、バース周辺を行き来する作業員に反応するリスクも低減できます。車両の有無を安定して検知することで、在車状況の確認に役立ちます。
施工面では、埋設工事が不要な点と、センサー同士をつなぐ同期線が不要な点がメリットです。既設の建屋にも後付けでき、稼働を長く止めずに設置を進められます。
規模に応じて、次の2つのタイプから選べます。
| タイプ | 型番 | 向いている現場 |
|---|---|---|
| リレー型 | HM-UX2 | バース数が少ない現場 |
| 通信型(RS-485) | HM-UW2 | バース数が多く、省配線で設置したい現場 |
いずれのタイプも、ディップスイッチの設定で在車検知型と通過検知型を切り替えられます。バースの在車状況を表示する用途にも、車両の通過を数える用途にも対応できるため、拠点の運用に合わせて使い分けられます。
検知距離や使用環境などの詳しい仕様は、以下の製品ページをご確認ください。
▶ 在車検知センサー「HM-UX2/UW2」の詳細を見る

トラックバースの効率化は、到着の時間帯をならし、入荷と出荷を切り分け、荷役の手順をそろえる取り組みから始まります。そのうえで効果を左右するのが、バースの在車状況をどう把握するかです。空いたことに気づくのが遅れれば、計画を整えても待機は残ってしまいます。
車両検知センサーを活用すれば、人が見に行かなくてもバースの在車状況を把握でき、次の車両のスムーズな案内に役立ちます。ホトロンでは、トラックバースの在車検知に対応する車両検知センサーを提供しています。天井の高さや床面の状態、設置するバースの数に応じて、適した製品をご提案します。
自社のバースに適した製品をお探しの場合は、設置環境や運用条件についてお気軽にご相談ください。

設置場所や用途、検知したい対象に応じて、最適な車両検知センサーをご提案します。
製品選びに迷われた際は、お気軽にご相談ください。