

「満車に気づかず入ってきた車が、場内でバックして出ていくことがある」
「広い駐車場で空いているエリアを案内できず、誘導を人手に頼っている」
駐車場の管理・運営において、このようなお悩みはありませんか?
駐車場の空き状況が分かりにくいと、場内の混雑や誘導業務の負担、利用者の不満につながることがあります。こうした課題の解決に役立つのが、駐車場の空き状況を分かりやすく知らせる「満空表示」です。
本記事では、駐車場の満空表示と満空管理の仕組み、導入メリットを解説します。また、満空管理に用いられる車両検知方式の違いや、駐車場の規模・設置環境に適した車両検知センサーの選び方についてもご紹介します。
駐車場の空き状況が分かりにくいと、利用者が空いている区画を探して場内を周回し、車路の混雑につながることがあります。
駐車場の管理・運営では、主に次のような課題が挙げられます。
また、駐車場内では車両同士の接触事故にも注意が必要です。日本損害保険協会東北支部が東北6県を対象に実施した調査では、車両事故の27.6%が駐車場内で発生し、そのうち59.4%が自動車同士の接触・衝突でした。
※出典:日本損害保険協会/駐車場での事故防止を東北6県で注意喚起
こうした課題に対し、駐車場の満空表示は、空き状況を利用者に分かりやすく伝えることで、場内の混雑緩和や誘導業務の負担軽減に役立ちます。
満空表示は、駐車場の満車・空車の状況を利用者に知らせる仕組みです。
ここでは、満空表示と満空管理の関係や、車両検知センサーを使って空き状況を把握する仕組みについて解説します。

満空表示を支えているのは、駐車場の空き状況を把握する満空管理です。表示器は、管理システムなどから受け取った情報を利用者に提示する役割を担います。
| 項目 | 役割 | 利用者からの見え方 |
|---|---|---|
| 満空表示 | 満車・空車などの状況を知らせる | 入口の表示器や各車室の表示灯などで確認できる |
| 満空管理 | 駐車場全体や各エリア、車室ごとの在車状況を把握する | 管理の仕組み自体は直接見えない |
満空表示器は、駐車場の入口や場内などに設置され、利用者に空き状況を知らせる機器です。満車・空車の表示だけでなく、フロアやエリアごとの空き状況を案内するものもあります。
正確な満空表示を行うには、車両の在車状況を適切に把握する満空管理が重要です。
満空管理では、車両検知センサーが車両の通過や駐車区画内の在車状況を検知し、その情報をもとに空き状況を判定します。
主な管理方法は、次の2つです。
■通過台数をカウントする方式
出入口やスロープを通過する車両の入庫・出庫台数を数え、在車台数と収容可能台数から空き台数を算出する
■車室ごとの在車を検知する方式
各駐車区画における車両の有無を検知し、車室単位で空き状況を把握する
どちらの方式を選ぶかによって、把握できる空き状況の範囲や詳細度が異なります。駐車場全体やフロア・ブロック単位で管理するのか、車室ごとの空き状況まで案内するのかによって、適した検知方式が変わります。
満空表示を導入することで、駐車場の利用者と運営者の双方にメリットがあります。
ここでは、空きスペースへの誘導、満車時の誤入場防止、誘導員の負担軽減という3つの視点から解説します。

満空表示があれば、利用者は空き状況を確認しながら駐車スペースを探せます。入口や各フロアで空き状況が分かることで、空いている区画を探して場内を周回する時間の短縮につながります。
特に立体駐車場は、上下階の移動を伴うため、場内の動線が複雑です。空いているエリアが分からないまま入場すると、各階を往復することになり、駐車までに時間がかかる場合があります。
空き状況を表示し、空いている階やエリアへ誘導することで、利用者の負担を軽減し、場内の混雑緩和にもつながります。
入場前に満車だと分かる状態をつくることで、無駄な入場を抑えられます。満車の駐車場に入ってしまった車は、場内で向きを変えて退出する必要があり、利用者の負担になります。
特に小規模な駐車場では、切り返しやバックでの退出が必要になる場合があり、接触事故のリスクにも注意が必要です。
車両検知センサーなどを活用して空き状況を把握し、適切に満空表示を行うことで、満車時の誤入場を減らし、利用者が安心して利用できる環境づくりにつながります。
車両検知センサーなどを活用して空き状況を自動で把握することで、誘導や巡回にかかる負担を軽減できます。目視や巡回に頼った管理では、入出庫の確認や利用状況の把握に時間と手間がかかるためです。
センサーによって空き状況を把握できれば、誘導員の配置や巡回方法を見直し、業務の効率化につなげることができます。ただし、すべての管理業務を自動化できるわけではないため、現場の運用に合わせた活用が重要です。
駐車場管理全体の課題と対策は、「駐車場管理の悩みを解決!トラブル対策・業務効率化のポイント」でも解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
満空管理に使われる車両検知センサーには、さまざまな検知方式があり、設置場所や管理したい範囲によって適した方式が異なります。
ここでは、赤外線+レーダー、超音波、磁気、ループコイルの4つの方式について、それぞれの特徴と用途を解説します。
| 検知方式 | 取付位置 | 主な設置場所 | 主な検知・管理対象 |
|---|---|---|---|
| 赤外線+レーダー | 天井取付型 | 立体駐車場 | 車両の通過(フロア・ブロック) |
| 超音波 | 天井取付型 | 立体駐車場、倉庫・物流センター | 車室ごとの在車 |
| 磁気 | 埋込型・露出型 | 平面・屋外駐車場、コインパーキング | 車室ごとの在車 |
| ループコイル | 埋設型 | 平面・屋外駐車場、コインパーキング | 車両の通過・在車 |
赤外線+レーダー方式は、車路を通過する車両を検知し、その台数をカウントする方式です。天井から車路を見下ろす位置にセンサーを設置し、車両の通過を検知します。入庫・出庫の台数をもとに在車台数を把握し、収容可能台数と照らし合わせて空き台数を算出する仕組みです。
1台で入庫・出庫の双方向を検知できるタイプなら、車両の進行方向を判別してカウントできます。スロープやブロックの出入口などに設置することで、車室ごとにセンサーを設置する必要がなく、設置台数を抑えられます。フロアやブロック単位で満空管理を行いたい立体駐車場に適した方式です。
超音波方式は、駐車区画ごとに車両の有無を検知する方式です。天井に取り付けたセンサーから超音波を発信し、車両がある場合とない場合の反射の違いによって在車を判定します。
床面への埋設工事が不要で、車室ごとの在車状況を把握できる点が特徴です。車室単位の満空管理に適しており、立体駐車場などで利用されています。また、超音波センサーは倉庫や物流センターなどの車両検知にも使用されています。
磁気方式は、車両が近づいたときの磁界の変化を捉えて在車を検知する方式です。路面に埋め込む埋込型と、路面上に設置する露出型があり、現場の条件に合わせて選択できます。
埋込型には、鉄筋や鋼板の上にも設置できる製品があります。一方、露出型はフラップ板の横などに取り付けるため、埋設工事をせずに設置できる点がメリットです。
平面駐車場やコインパーキングなどで利用されており、埋設工事が難しい既設の駐車場では、露出型を選択することも有効です。ただし、周辺の金属構造物などが検知に影響する場合があるため、設置条件に適した製品を選ぶ必要があります。
ループコイル方式は、路面に埋設したコイルで車両を検知する方式です。コイルの上を車両が通過すると、コイルのインダクタンス(電気的な特性)が変化し、その変化から車両の有無を判定します。
光の反射や雨天時の路面の見え方による影響を受けにくい点が特徴です。一方、車両の金属量や車体構造などによって検知条件が異なるため、二輪車やフォークリフトなどは検知が難しい場合があります。
検知したい場所にコイルを埋設するため、車室だけでなく出入口や車路でも使用できます。平面・屋外駐車場やコインパーキングなどで利用されている方式です。
駐車場の満空管理では、どの範囲の空き状況を把握したいかによって、適した車両検知センサーが異なります。
ここでは、駐車場の規模や管理目的に応じた管理方法と、設置環境に合わせた車両検知センサーの選び方を解説します。

大型駐車場では、フロアやブロック単位の満空管理が有効です。スロープや各ブロックの出入口にセンサーを設置して通過台数をカウントする方式なら、車室ごとにセンサーを設置する必要がなく、設置台数や導入費用を抑えられます。
1台で双方向の車両を検知できるセンサーを使用すれば、入庫・出庫の方向を判別してカウントできます。各階や各ブロックの空き状況を表示することで、利用者を空いているエリアへ誘導できます。
一方、個々の車室の空き状況まで案内したい場合は、車室管理方式が適しています。駐車場の規模だけでなく、コストと管理精度のどちらを重視するかによって、適した方式を選ぶことが重要です。
小規模な駐車場では、車室ごとにセンサーを設置する車室管理方式が適しています。目安としては30台以下の駐車場が対象です。区画数が限られているため、1台分の空き状況が利用者の判断を左右することがあります。
車室管理では、各駐車区画にセンサーを設置して車両の有無を検知します。超音波方式、磁気方式、ループコイル方式などがあり、設置環境に応じて選択できます。
車室ごとの空き状況を把握することで、満車時の誤入場を抑え、限られた駐車スペースを効率的に管理できます。
管理方法を決めたら、設置環境に合わせてセンサーを選びます。同じ車室管理でも、屋内・屋外の違いや、路面を掘削できるかどうかによって、適した取付方法が異なります。
| 設置場所 | 向いている取付方法 | 該当する製品の例 |
|---|---|---|
| 立体駐車場 | 天井取付型 | 車両カウントセンサー CCS3、在車検知センサー HM-UX2/UW2 |
| 平面・屋外駐車場 | 埋込型、露出型、埋設型 | 埋込型パークセンテナ HM-S6、露出型パークセンテナ HM-S8、ループコイル検知器 HM-LC6・HM-LC7 |
| コインパーキング | 露出型、埋設型 | 露出型パークセンテナ HM-S8、ループコイル検知器 HM-LC6・HM-LC7 |
立体駐車場など天井がある場所では、天井取付型を使用することで路面の埋設工事が不要になります。フロア・ブロック管理に適した車両カウントセンサー「CCS3」は、1台で双方向の車両を検知でき、複数台を連結することで広い車路にも対応します。
CCS3は屋内・半屋内向けの製品であり、雨が直接当たる場所には設置できません。
一方、屋外駐車場では、雨や雪などの使用環境に対応した製品を選ぶ必要があります。埋込型パークセンテナ「HM-S6」は保護等級IP68に対応し、鉄筋や鋼板の上にも設置できます。露出型パークセンテナ「HM-S8」は保護等級IPX7に対応し、埋設工事をせずに設置できる製品です。
既存の駐車場で路面の掘削が難しい場合は、設置条件に応じて天井取付型や露出型を検討できます。また、車室数が多い駐車場では、通信による省配線に対応し、最大100車室まで設定できる「HM-LC7-FLS」も選択肢となります。
このように、満空管理に適した車両検知センサーは、駐車場の規模や管理目的、設置環境によって異なります。管理方式ごとの構成や対応製品については、ホトロンの満空管理ページをご確認ください。
車両検知センサーを導入する前に、現場の条件を整理しておくと検討がスムーズに進みます。駐車場の規模や設置環境によって、必要なセンサーの台数や取付方法が異なるためです。
ここでは、車両検知センサーの導入時に確認したいポイントを、駐車場の規模と車室数、埋設工事の要否、検知対象という3つの観点から解説します。
最初に確認したいのが、駐車場の規模と車室数です。管理する範囲がフロア単位か車室単位かによって、必要なセンサーの台数と配置が変わります。
車室数が多い場合は、配線や設置工事の範囲も検討材料の一つです。製品によっては通信機能などを活用して配線を抑えられる場合もあるため、見積もりの段階で必要な機器構成や工事内容を確認しておくことが重要です。
既存の駐車場では、路面を掘削できるかどうかを先に確認します。埋設工事を行う場合、工事中は対象となる区画や車路の利用が制限され、駐車場の運用に影響する可能性があるためです。
天井取付型や露出型のセンサーであれば、路面を掘削せずに設置できる場合があります。既存駐車場への導入では、工事の可否や利用制限の有無も確認しておくことが重要です。
実際に、埼玉医科大学病院 第6駐車場では、ホトロンの天井取付型車両検知センサーを導入。路面の埋設工事を行わずに設置でき、ブロックごとの満空表示を実現しています。
車両検知センサーを選ぶ際は、対象となる車両を適切に検知できるか確認することが重要です。検知漏れや誤検知が発生すると、実際の空き状況と満空表示にずれが生じる可能性があります。
雨や雪、路面の状態など、設置環境による影響を考慮し、現場の条件に適した検知方式を選びましょう。また、二輪車などを受け入れている駐車場では、検知対象に含まれるかどうかも事前に確認しておく必要があります。

駐車場の満空表示は、空き状況を利用者に分かりやすく伝え、場内の混雑緩和や誘導業務の負担軽減に役立ちます。そのためには、車両検知センサーを活用して空き状況を把握する満空管理が重要です。
管理する範囲がフロア単位か車室単位かによって、適した検知方式と製品は異なります。また、屋内・屋外の違いや埋設工事の可否なども、選定を左右する条件です。駐車場の規模や管理目的、設置環境に合わせて車両検知センサーを選ぶことが大切です。
ホトロンでは、満空管理に活用できるさまざまな車両検知センサーを取り扱っています。駐車場の条件に合った製品を選ぶ際は、各センサーの検知方式や設置条件を比較し、導入目的に合った構成を検討しましょう。
設置場所や用途、検知したい対象に応じて、最適な車両検知センサーをご提案します。
製品選びに迷われた際は、お気軽にご相談ください。